3分で読めて1週間使える工夫発想のヒント
〜創意工夫の力を楽しく伸ばす技術的ブレークスルーの40パターン〜
■第19話■「一部を変えよ」「活用している方向の垂直方向を利用せよ」以前TRIZの研修でもらった40の技術的ブレークスルーの指針を書いたカードを、さささっとめくってみた。何か発想のヒントになりそうなものは…。二枚ほど、引いた。
もう少し内容を見るために、TRIZの本を開いて、カードに対応する発明原理を見てみると、理解を深めるキーワードがあった。

発明原理3 局所的性質
・均一なもので出来ているものを、部分的に変える。
・均一な環境を、部分的に変える。
・対象とするモノの各部分が最適に機能するようにする。
・対象とするモノの各部分が異なる機能を持つようにする。

発明原理17 もう一つの次元(もしくは、他次元への転換)
・直線的な形のモノ、もしくは、直線上を動くモノならば、
螺旋や波型、もしくは、カーブの動きなどを持たせて工夫する。
・平面的な形のモノ、もしくは、平面状を動くモノならば、
螺旋や凹凸もった表面形状、もしくは、
それまでの平面より少し高い面への動きを持たせる。
(もとの運動平面以外の動きを持たせる)
・単層だけではなく多層に配列する、
裏と表の利用、段重ねの構造など。
・側面で立てるなど、モノの向きを変える。
・配管の亀裂を外からではなく内から補修材で直すなど、
工夫しようとする対象の「もう一つの面」を活用する。
『一部を変えよ』、か…。
均一なものを部分的に変える、かぁ。ゴミ箱のパーツ部品は、あんまり均一じゃないし、ゴミはそもそも均一じゃない。均一なもの…といえば、ゴミ袋、かなぁ。たとえば、ゴミ袋の口の内側に一周するように、ガムテープを張る。貼りつける際に、釣り糸を入れておく。釣り糸を引き絞れば、テープはギャザーのように集まって、口を閉じられるだろう。ゴミ袋を縛るよりも体積が有効に活かせる可能性が高い。
しかしまてよ。これはゴミ袋の有効活用であって、アイデア出しのテーマである「サイズそのままで、もっとはいるゴミ箱」になっていないな。じゃあ、「ガムテープ+釣り糸」を、袋の底面にはりつけてみたらどうだろう。ゴミ箱の入口にひっかけておいた釣り糸を時々引っ張ってやる。すると底面がガサガサと振動して、隙間に密に入るかもしれない。これだと従来のゴミ箱をほとんどかえることなく、高密度に入るゴミ箱になるかもしれない。
(補足:ただし、ゴミ袋を新しくするたびに、釣り糸とガムテープを消耗する。また、それらを張り付ける作業は、やや面倒。また、袋に重たいゴミが入るようになってくると、釣り糸を強く引くと、袋が破れる可能性がある)
『活用している方向の垂直方向を利用せよ』、か…。
標準的なゴミ箱の場合、押し込むということを考えた場合、縦方向は活用しているけれど、横方向には活用していない。(これまでに発案したゴミ箱の中には)ゴミ箱の側面を柔らかくして押すことができるものもあるが、それでもゴミの内側から外側(横方向)に押すことはできない。
ならば…、そうだ、ゴミ箱の中心から外側(横方向)せないだろうか。ゴミ箱の中、垂直に立てた中心棒をつくり、その棒は膨らむようにしよう。そうすると、ゴミが外側に向かった力(横方向の力)をかけることができる。ゴミの向きによっては横方向に押すとつぶれる状態のものがあるだろう。その方向がつぶれせることで、たくさん入るようにできるかもしれない。
(補足:袋をかけていることを考えると、ゴミをつぶす中心棒は、上からつるされている構造をしている必要がある。なお、膨らむ方法は、空気圧でもいいが、ねじを回すことでジャッキのように広がるものだと、強い力がかけられて良い)
なるほど、こんな感じにアイデアを出せばいいのか、本業の装置設計でも、省スペースの工夫の際に、何かに使えそうだな。
(第19話、終わり)